第65回全国高等学校スキー大会・アルペン競技 女子GS(2016年2月6日 大鰐温泉スキー場/青森)

片桐成海・麻海姉妹(北照)がそろって表彰台へ 2位は吉田好(砂川)

 

 大会2日目は女子GSが行なわれました。コースは男子GSと同様、急斜面も緩斜面もあり、斜度やフォールラインの変化も多彩なハイレベルな設定です。昨夜もバーンに水を撒く作業を行なったそうで、昨日と同じく後方スタートの選手にも充分にチャンスがある、公平な条件のレースとなりました。

1位:片桐成海(北照高校)
1位:片桐成海(北照高校)
3位:片桐麻海(北照高校)
3位:片桐麻海(北照高校)

 優勝したのは片桐成海選手(北海道・北照高校3年)。1本目はトップから0秒85遅れの6位と出遅れましたが、そのぶん開き直って攻めきる覚悟で2本目に臨みました。2本目はFISレースなどと比べると、全体的にかなり振り幅の小さいポールセットが立ちましたが、そんなスピードセットにもひるむことなくアタックをかけ、大逆転に成功。3年生にして初めてインターハイ優勝を勝ち取りました。昨年の春に痛めた股関節のケガが長引き、今も陸上トレーニングは満足に行なえない状態だそうですが、その不安を最後のインターハイにかける気迫と集中力で勝ち取った優勝だったと言えるでしょう。

 また、後輩であり妹でもある片桐麻海選手(北海道・北照高校1年)が、1本目4位から順位を上げて3位に入り、姉妹そろって表彰台へ上がりました。姉・成海は「1本目で妹よりも遅かったので、なんとしても逆転したいと思った」と言えば、妹・麻海は「負けて本当に悔しい」と、お互いをライバルとしても強く意識。それでも3年の姉と1年の妹がインターハイで一緒に戦えるのは、今年が最初で最後。それだけに一緒に上った表彰台では、ともに最高の笑顔を見せました。

喜びの片桐姉妹(左・成海 右・麻海)
喜びの片桐姉妹(左・成海 右・麻海)

姉妹の間に割って入ったのは吉田好選手(北海道・砂川高校2年)。1本目でトップに立って2本目を迎えましたが、わずか0秒05遅れて2位に後退。表彰台を獲得したうれしさと、優勝を逃した悔しさとがせめぎ合う、複雑な気持ちだったようです。昨年のインターハイでは、スラロームでゼッケン124番から8位に入賞するなど、1年生ながら活躍。そして今年は表彰台へ。今後にも期待が持てる成長ぶりを見せています。

2位:吉田好(砂川高校)
2位:吉田好(砂川高校)

 

 さて、昨日の男子GSは双葉高校が表彰式に4人を送り込む大活躍でしたが、今日は北照高校の番。1位と3位に続き、4位には1年生の若月新選手が入りました。北照高校はこれで9年連続でインターハイ・チャンピオンを生み出しています。
 近年、日本のトップ選手に成長する卒業生を多く輩出している両校。もちろん、きらめく素質を持った選手が集まってくる強豪校ゆえのアドバンテージもあるでしょうが、けっして選手の素質だけでは継続してこれだけの成績を残せないはず。共通しているのは、双葉高校・玉川祐介監督、北照高校・四戸智也監督と、ふたりともまだ30代前半の若い監督だということ。機会があればふたりの指導論や選手強化・育成についての考え方をしっかり聞いてみたいものです。

四戸監督と入賞した北照高校3選手
四戸監督と入賞した北照高校3選手

 

文と写真:月刊スキージャーナル編集部

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