第65回全国高等学校スキー大会・アルペン競技(2016年2月8日 大鰐温泉スキー場/青森県)

片桐成海(北照)SLも制し2冠達成。2位に同タイムで川端と田村

 

 いよいよ大会最終日です。この大会期間中は天候に恵まれ、雪が降ったりすることはほとんどありませんでした。その代わり、冷え込んだときの寒さは、さすが本州北端と思わせてくれるほどのもの。昨夜の冷え込みで、今日もびっしりと締まったハードなバーンが用意されました。雪不足のなか、4日間をとおしてみごとなバーンコンディションを作り上げ選手たちの戦いを支えた、青森県や大鰐温泉スキー場のスタッフ、そして大会役員には敬意を表したいと思います。

1位:片桐成海(北海道・北照高校)
1位:片桐成海(北海道・北照高校)

 

 最終日の女子スラロームを制したのは片桐成海選手(北海道・北照高校3年)。GS1本目で出遅れながら2本目で逆転勝利を飾ったように、この日も1本目はトップから0秒73遅れの5位。しかし、2本目でふたたび猛チャージをかけ、1本目でトップに立っていた川端楓選手(北海道・北海学園札幌高校3年)を0秒03差でかわして、表彰台の中央に立ちました。
 これでGSでの優勝と合わせて、みごと2冠を達成。最後のインターハイを最高の結末で終えました。卒業後は早稲田大学に進学。まだ高校生としてのレースも残っていますが、本人としては早くも日本のトップをめざす戦い、そして世界で活躍する選手をめざす戦いに挑んでいく決意です。これからの成長にも、ぜひとも注目してもらいたいと思います。

2位:川端楓(北海道・北海学園札幌高校)
2位:川端楓(北海道・北海学園札幌高校)

 川端選手にとっては悔やんでも悔やみきれないレースとなりました。1本目でトップに立ち、インターハイ最後のレースで最大のチャンスを手にしました。しかし、そのチャンスを活かすことは叶わず。幼い頃から片桐選手とは争ってきましたが、「いつも大事なところでは(片桐)成海にやられる」と、ライバルの強さを認めます。それでも、「成海に追いついていけば、世界でも戦える選手になる」と、今後の成長も誓ってくれました。

2位:田村みのり(神奈川県・日本大学高校)
2位:田村みのり(神奈川県・日本大学高校)

 

 川端選手と同タイムの2位にゼッケン1番の田村みのり選手(神奈川県・日本大学高校2年)が入りました。田村選手は出身も神奈川県。幼い頃から菅平高原などに通ってレースに取り組んできた、いわゆる“都会っ子”レーサーです。それだけに、インターハイという大舞台での2位表彰台を喜んでいました。しかし一方で、表彰台まで0秒03という僅差に、勝てるチャンスもあったと悔やみます。ただ、片桐選手や川端選手のようなトップ選手と対等に争った経験は大きな成長の糧になるはずです。

 青森からの長距離移動のため、最終日のレポートは簡単に終わらせていただきます。スタッフやコーチ、そして選手の皆さん、本当にお疲れ様でした。

 

文と写真:月刊スキージャーナル編集部

 

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