2015/16シーズン世界マスターズ(WCM)レポート

2016年3月21日~24日にチェコのSpindleruv Mlyn で、今シーズンの世界マスターズスキー大会(World Criterium Masters)が、開催されました。 この機会にその様子を、皆様にご報告させていただきます。 WCMは、毎年3月に欧州と北米各国の持ち回りで開催される、FISマスターズ大会の最大イベントです。

 

ワールドカップと同様に、アウディがスポンサードする本格的なイベントで、今年は28ヶ国から550名以上の参加者がありました。

開会式に先立ち、各国選手団による街中のパレードもあります。 日本からは1990年代に活発な参加があった後、しばらく纏まった取組みが途絶えていましたが、2011/12シーズンに、米国マンモスマウンテンでの大会に10名で参加して以降毎年参加人数も増え、今年は26名の選手団でとなりました。

今回の会場は、メインとサブの二つに分かれ、写真はサブのSL会場。 標高差400mの一枚バーンをTバー一本で引っ張り上げます。 ここを休みなく回したら、タフな選手が育つこと請け合い。 SLは、下部1/3程の中斜面で、マスターズにはちょうど手ごろなコース設定でした。

こちらは、メイン会場のSGとGSのゴール付近。 標高差300m~400mの間に、三つのスタート台を設定して、各カテゴリーのSGとGSが行われました。 二ヶ所のクニックによる斜面変化が効いて、楽しめる良いコースです。 写真のフード付きのリフトは6人乗りで、何とシートヒーター付き。 これ一本で、レースコースがカバーされ、とても効率の良いコース設計です。

先に、45歳代、50歳代日本女子の活躍が報じられましたが、更にベテランの組はWCM本戦でも日本が独壇場。 女子カテゴリーがスタートすると、しばらくは掲示板上位を独占します。

85歳台で優勝の、本間かほる(東京)。 ここ4大会連続で優勝を重ねており、彼女のゴールはスタンディングオベーションで迎えられ、今や「世界のかほる」です。 左はメダルプレゼンター、FISマスターズ委員長のStefano Arnhold氏、ブラジルの所属です。。

80歳台でもポディウムを独占。 優勝、松橋桂子(青森)、2位は白井嘉子(神奈川)。

 

会場となったSpindleruv Mlynは、プラハから北へ120km、ポーランドとの国境地域にあり、共産圏時代から開発されてきたスキーリゾートです。 落ち着いた街並みに、

1900年当初創業のレストランなどがあり、極上のビールと味のしっかりした鴨やポークの肉料理を提供してくれます。

大会期間中には、参加選手が一堂に会するディナーパーティが開催され、

みんな国や言語の壁を越えて、交流を図ります。 大会会場でも、

この様に多くの国際的な仲間が出来て、互いに刺激を請けると共に、得難い仲間が世界に広がることが、マスターズスキーの醍醐味でもあります。

文責:福田 俊介

SAJマスターズ委員

東京都スキー連盟